2009年10月27日火曜日

新型インフル「大人は基礎免疫」の大嘘


ここのところ「インフルに対して大人は感染しにくい」という記事がやたらとマスコミから出回っている。

新型インフル「大人は基礎免疫」=多くは軽症の可能性-ウイルス学会

≪集会で庵原俊昭国立病院機構三重病院院長は「多くの人に基礎的な免疫があるということ。発症を予防するレベルではないが、1回のワクチン接種で十分な効果を得ることができる」と発表した。基礎免疫がない全く新しいウイルスであれば、2回接種しなければ抗体価は上昇しないという。≫

ワクチンの絶対数が足りないので暴動が起きないようにガセネタを流しているのである。 

新型インフル、成人に免疫?…過去の季節性感染で

≪新型インフルエンザに対して、成人の多くはある程度の免疫を持つ可能性があることが分かってきた。≫

この理屈がまかり通れば、季節性のインフルエンザも毎年ワクチンを打つ必要はないわけだ。

≪全国約5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は、ほとんどが新型になった6月末以降、10月11日までで計20万人余り。年齢層別では10~14歳が最も多く、未成年が85%。最新のデータでは新規患者の90%が未成年だった。≫

これは事実である。新型インフルは当初から若年層に感染しやすかった。しかし、大人もしっかり感染しているのである。

≪今回の新型は、過去に流行した季節性の『いとこ』か『はとこ』なのだろう」と話す。≫

とても学者の発言とは思えない無責任な推測である。

≪だからと言って、成人が新型に感染しないというわけではない。米国でも当初、10歳代で新型が流行したが、その後ほかの世代に感染は拡大し、最終的に入院患者の半数が18歳以上となった。≫

もう記事内容が支離滅裂である。記者本人も不本意な文章を強要されているのかもしれない。

Aソ連型感染で「新型」に基礎免疫も

≪基礎免疫があった理由としては、新型インフルエンザウイルスと同じH1N1亜型のAソ連型インフルエンザウイルスに既に感染していたことが考えられると指摘。「(Aソ連型にかかったことで)広くH1N1に対する基礎免疫ができた」可能性があるとした。≫

日本人の大人の大半がかつてAソ連型に感染していればこの理屈は通る。まあ、感染しても発病しないか軽症で治った人もいるだろうが…。

国内の新型インフル死亡32人に

≪神奈川、埼玉、福井各県は23日、新型インフルエンザの感染患者各1人が死亡したと発表した。国内の新型インフルエンザ患者の死者数は疑い例も含め計32人。
 神奈川では基礎疾患のない厚木市の50代女性が、埼玉では糖尿病や高血圧、高脂血症、脳梗塞の後遺症があった川口市の女性(67)が、福井では糖尿病や高血圧、脳梗塞の50代男性が亡くなった。≫


これが現実だ。大人もしっかり感染している。学者連中も大人の方が重症化しやすいと言っていた。

人間50歳を過ぎれば持病のない人の方が少ない。「基礎疾患があったから死んでも仕方ない」で片付けられたら無念だろう。

ワクチン接種は子ども優先、学会で一致

どうも日本ウイルス学会という組織は政治色の強いところのようだ。
学説が分かれているのにあっさり一致とは恐れ入った。

≪日本ウイルス学会の討論会が26日、東京都内で開かれ、新型インフルエンザ用ワクチン接種の優先順位を見直し、重症患者が多い子どもへの接種を急ぐべきだとの意見で一致した。 ≫

現在の接種順だと、医療従事者、妊婦と基礎疾患(持病)の次になり、接種が始まるのは12月以降になる見通しだから、持病持ちより先に持っていこうというのだろう。

基礎疾患の基準もまた曖昧である。状況からして、かなり重病の人に限定されることになりそうだ。軽度の人は相手にされないだろう。

別に、子供を優先してもかまわないが、副作用が気になる。

新型インフルワクチン接種、6人に重い副作用

≪厚生労働省は23日、医療関係者に対する新型インフルエンザワクチンの接種開始から4日間で、意識低下や筋肉痛など、重い副作用(副反応)の可能性がある事例が6件報告されたと発表した。
 いずれも数日中に回復し、症状は季節性インフルエンザワクチンと同程度。厚労省は「今のところワクチンに問題があるとは言えない」としている。≫


「そのうち問題が出てきます」と言っているようなものである。安全確認が不十分な中での見切り発車なのである。

今回の件で明らかになったのは「学者の意見など、政治状況しだいでコロコロ変わる」ことくらいか?


記事が面白いと思ったら下のリンクをクリックしてくだされ!! 
<(_ _)>
→人気blogRanking

→FC2 Blog Ranking

0 件のコメント: