2010年6月4日金曜日

小沢・鳩山W退陣のキーワードは「安保」。日本独立を目指す小沢の野望は潰えたのか?


支持率がじり貧状態だった民主党が切れる残されたカードはW退陣しかなかったのだが、切羽詰まって切ってきた。そのタイミングに関しては「ぎりぎり間に合った」と言う意見と「遅きに失した」という意見に別れる。そもそも、このカードを民主党の意志で切ったかどうかも疑問である。

周知のごとく日本はアメリカの属国である。政権交代したところでその事情に変わりはない。日本の官僚グループやマスゴミはアメリカの支配下にある。そして、日本の国会議員の大半は何らかのアメリカの縛りを受けている。
どこもかしこも押さえつけられたような状態でアメリカの影響を排除するのは至難の業である。

その中で、安保条約はアメリカによる軍事支配の実例である。日本の自衛隊は日本を防衛するために組織されたものではなく、進駐軍を支援するために組織された。日本の国防予算もすべて安保条約に関連して決定されている。

アメリカの日本支配は、情報・経済・軍事の三本柱によって成り立っているが、その中で一番判りにくいのは情報である。本ブログで「日本のマスゴミはアメリカの犬コロだ」と主張しても、マスゴミも露骨な証拠を残すようなへまはやらないだろうから、一般人はなかなか気づきにくい。マスゴミが垂れ流す情報をつぶさに検証して、その矛盾点を明らかにしていくしかない。

経済に関してはもう少し判りやすい。昔から「アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひく」と言われていたほどである。放漫経営で破綻した天下り法人を外資系が二束三文で買い叩くのは日常茶飯事だ。

一番はっきり解るのは軍事支配である。実際に進駐軍が治外法権でやりたい放題なので嫌でも実感できるのである。
今回の普天間問題でも、日本がアメリカに支配されていることを思い知らされただろう。これでまだ解らない連中がいたらよほどのバカである。

マスゴミの報道は「日本の意志決定は日本人によってなされている」という偽装のもとに作られている。したがって、「報道の裏にはすべてアメリカの意志が関与している」事実を考慮して読み解くことによって、多少は真実が見えてくるのである。
しかし、実際は簡単に読み解けるものではない。
問題は「アメリカの意志」である。これが終始一貫して同じなら読解も楽なのだが、アメリカさんも意思が統一しているわけではない。アメリカの猿山もボス争いが熾烈で、子分の日本人もそれぞれ従うボスが違うから、非常にややこしい。また、日米間には距離があるから、主従関係も疎遠で複雑である。何も同じボスに従う義理はない。勝ち組に加わりたいのは誰もが同じである。強いボスを求めてコロコロ寝返る奴も多い。

米、安保政策で牽制 麻生首相「招待」…小沢民主への「不信」

2009/02/25の記事である。この段階でアメリカは既に自民党を見限っていたが、麻生氏を呼び出したのはリーマンショックの補填用に上納金を要求するためだったと考えられる。金をせびるカモとしては重宝な相手だからだ。

麻生首相の「尖閣は日本固有の領土で、日米安保の対象」発言に抗議し、「釣魚島は中国固有の領土」との談話を発表

アメリカ、「尖閣防衛に安保条約適用」について「領土問題は当事者間で」と明言を避ける
2009/02/28

「尖閣諸島が侵攻されたら、日米安保条約適用」…米国務省が公式見解
2009/03/05

この一連の動きをどう解釈したらいいだろうか? 
中国が日本に因縁をつけ、日本がアメリカに泣き込んで、アメリカが口先だけ調子のいいことを言っている。

現段階で、日本もアメリカも中国もお互いに「友好国」である。「友好国」には自己犠牲までして相手に尽くす意味合いなどない。交流することによって自国に利益誘導が期待できる国が「友好国」なのである。
中国とアメリカが一時的につるんで日本をカモっても、「友好国」である事実に変わりはない。また「友好国」が「仮想敵国」であっても何の矛盾はない。「仮想」は表面下で行われることだから、どんな「仮想」をしようがそれを制止する理由はない。

話は少し遡るが、今日の混乱を招くに至った極めて重要な会談が行われた。

「日本の政権交代」をにらみ、民主・小沢氏とクリントン米国務長官が会談へ
2009/02/17

アメリカにとって日本で重要視すべきは小沢氏ただ1人であり、後はどうでもいい小物揃いであるという認識があった。
アメリカ側は小沢氏に服従を要求したと推測される。

民主・小沢氏「政権交代後は、在日米軍を削減。日本が極東における安全保障の役割を担っていくことで話がつく」
2009/02/24

しかし、会談は不調に終わり、小沢氏は公然とアメリカに反旗を翻した。
当然、アメリカは小沢氏に報復を開始する。

【裏金/献金】小沢一郎氏側の複数の政治団体を西松建設とからむ政治資金規正法違反の疑いで捜査へ
2009/03/03

この小沢辞任騒ぎで、一時的に自民党の支持率が回復していた。マスゴミを利用した小沢氏への脅しである。

【調査】 小沢氏「辞任すべき」47%、「すべきでない」41%。政党支持率は自民27%、民主24%に…
2009/03/09

連合もまたアメリカの支配下にあることを物語っている。

【民主党】小沢代表「円高だから済州島買っちまえ」と発言…連合前会長が明かす
2009/03/12

アメリカによる予想以上の猛攻の前にギブアップ寸前だった小沢氏は中国に助けを求めた。

中国全人代幹部と会談=小沢民主代表「将来、ますます(関係を)強固なものにしていかなければならない」
2009/03/27

もともと、小沢氏がアメリカに強気で出た背景には中国の援護期待があった。
バカウヨどもは小沢氏を「中国の犬コロ」と呼ぶが小泉氏を「アメリカの犬コロ」とは絶対に言わない。

小沢氏は政権奪取後、中国への依存度を更に強めていく。

民主・小沢氏、626人連れて中国へ出発…その後は韓国に行き李大統領と食事2009/12/10

韓国を巻き込んでの大東亜共栄圏構想である。

十大リスク5位に「日本」 米調査会社、普天間影響か2010/01/05

「影響力ある指導者ランキング」で、民主党の小沢氏が世界3位(鳩山首相はランク外)
2010/01/20

「影響力がある」というのは、反対解釈をすれば「アメリカの言うことを聞かない」という意味である。アメリカの小沢氏への警戒感は非常に強いものがあった。
日本でも謎の急死をしてしまう政治家が結構いたが、そうならないための予防線も小沢氏はいくつか講じていたようだ。

バカウヨどもが崇める小泉氏などはブッシュの前で幇間まがいのサービスを行った男である。間違ってもアメリカから「影響力のある指導者」と認識されることはない。

日本人は自国の存在を過小評価しているが、経済的にはアメリカと日本と中国で全世界のGDPの半分を占めている。その指導者が世界的に影響力があるのは当然である。

小沢氏の構想は脱アメリカによる世界三分の計である。魏がアメリカで、呉を中国、蜀を日本に見立てているのである。戦力的には魏が圧倒的に強力なので呉と連携を取ることが蜀が存在するための絶対条件なのだ。小沢氏はさしずめ諸葛孔明になったつもりでいるのだろう。

日本に強力な指導者が存在すれば、日本が独自の影響力を全世界に示すことも可能である。実際に1970年代と1990年代にはそうなるチャンスがあった。しかし、戦中戦後、小心者のリーダーしか輩出できなかった日本である。

しかし、結局蜀も滅亡してしまったように、綱渡り外交はバランスが崩れるとあっけない。バカウヨどもが危惧するように、小沢外交が極めて高いリスクであることは私も否定しない。

民主党「日米関係、ギクシャクしてる…まず、日中関係を強固にしよう!」…日米中・正三角形外交、小沢・輿石・山岡氏ら主張
2009/12/15

実際にアメリカの経済力は日・中の3倍ある。アメリカを1辺とすると、正三角形どころか物理的に三角形自体を構成することができない。どうしても三角外交をしたいのならばEUを呼び込む必要がある。
EUにとっても思いは同じである。特に反米意識が強いフランスはその志向が強い。

サルコジ大統領「日本が常任理事国でないのは異常」
2010/03/31

ところが日本が常任理事国になれば自国の影響力低下が免れないので中国は猛反対である。

「日本を常任理事国にすべき」とのサルコジ演説に中国から反発の声「ドイツは歴史的責任を痛感している。日本は違う」
2010/03/31

勿論日本が常任理事国になって困るのはアメリカも同じだろうが、ロシアや中国に対するカードとしての価値や、国連分担金を更に増額させるなどのメリットもあるので、露骨に反対を示すようなことはしていない。

いずれにせよ、今回の小沢氏幹事長辞任は、「だからどうした?」の話である。まだ小沢氏が完全に潰れたわけではない。
小沢氏自身が首相になる可能性は低いが、民主党政権は後3年安泰である。菅氏の後は、岡田氏や前原氏も首相になるゆとりがある。みんな1年未満だけど…。下手をすれば仙石氏まで回ってくるかもしれない。



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