2010年8月17日火曜日

「神戸市高齢者大量抹消処分」で産経と読売が呆れた稚拙記事


莫大な数の所在不明高齢者が存在していることが発覚してしまった我が日本国であるが、お役所仕事のいい加減ぶりがやり玉に挙げられたのは神戸市である。
いい加減な戸籍管理は神戸市に限ったことではないだろうが、ここがとりわけマスコミのカモにされた事情は、中途半端に報告したことにあるようだ。要するに突っ込まれやすかったと言うことである。
人数的にも最大の所在不明高齢者がいそうなのは東京23区だろうが、ここはいつも集計がのろまなので、現時点では矢面に立たされていない。

所在不明高齢者ついに3桁の105人…神戸市が自治体初 125歳も

≪神戸市は100歳を超える高齢者で同市内に住民登録されている847人のうち、1割を超える105人の所在が確認できていないと発表した。
このほか、今年の介護保険を利用していなかったり、平成20年4月以降に後期高齢者医療保険を利用していないなど、今後調査が必要とされる100歳以上の高齢者が22人いるという。≫


産経さんの記事だが記者の文章が下手くそで何が書いてあるかよく伝わらない。「このほか」と断っている以上、所在が確認されたはずの742人の内、「生存確認できない高齢者」が22人いるという意味か?

日本語の体をなしていないので支離滅裂な印象を免れないが、記者は役人の無茶苦茶な言い訳をそのまま文章に起こしたと思われる。
自分で納得して文章を書いたか疑問だ。

要するに「『生存確認できなかった』と確定した数が105人で、残りはよく判らない」ということのようだ。

≪市によると、7年の阪神大震災以降、市の人口の約3分の1が入れ替わっているという。≫

「だからどうした?」という回答だが役人としては言い訳のつもりなのだろう。

≪市によると105人は、敬老祝い金を渡すために民生委員が何度訪問しても所在が確認できなかったり、住所地に住んでいないことが判明したりしたケース。ただしこれらの不明者情報は区役所レベルで止められ、市には報告が上がっていなかったという。≫

責任を下っ端になすりつけるのは例によってである。

不明高齢者、住民基本台帳から80人抹消…神戸

≪全国で100歳以上の高齢者が相次いで所在不明になっている問題で、神戸市は16日、所在不明者105人(うち外国籍3人)と介護保険などを利用していない22人の計127人について、死亡を確認した17人(同1人)と、住民基本台帳の登録地に住んでいないなどの計80人を台帳から抹消すると発表した。

一度に大量抹消するのは極めて異例。介護保険を利用していなかった人のうち11人の生存を確認した。住居が特定できなかった36人は引き続き調査をする。≫


今度は読売さんの記事だ。産経さん同様、何が書いてあるのかよく判らない文章である。
その後11人の生存が確認されたようだ。「住居が特定できなかった36人」などといきなり書かれても何のことか判らない。
所在不明者105人の内69人は住居は特定できたと言うことか?

問題はこの105人に年金が支給されていたかどうかだが、そのことに一切触れていない。

≪市の調査は、問題が発覚した今月10日から行われた。その結果、生きていれば国内最高齢の「125歳」となる女性ら20人は台帳の登録地に住居がなく、43人は登録地に住んでいないことを確認した。≫

この記者は読者を馬鹿にしているのだろうか?

「住居が特定できなかった」のは36人のはずなのだが、「20人は台帳の登録地に住居がなく、43人は登録地に住んでいない」とはどういうことだ?

意味不明な区分と関連性のない数字を臆面もなく並べて、この記者は「整合性」という概念を持っているのだろうか?
「どうせ流し読みするだけだろう」と、役人から聞いた数字を適当に載せただけの印象しか与えない悪質な記事である。



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